【ゆるふわ生物学文化祭】参加レポ!!

こんにちワダツミザクラ

ゆるふわ生物学ファン、コメント類が一匹、二枚貝ホタテです。

生物学ガチ勢がゲーム配信などの活動をする、ゆるふわ生物学。過去にもこのブログで何度か紹介しましたが、詳しい解説はご本尊のサイトをご覧ください。

ゆるふわ生物学

そんなゆるふわ生物学が7月21日に上梓した

『ナゾとき「進化論」 クイズで読みとく生物のふしぎ』

は、生き物の進化について大変分かりやすく、それでいて「え!?そんな深い内容まで網羅してるの?」と思わされる本でした。あぁ、この本の感想もブログで書きたい。でもほかに3本も書きかけで終わってるブログが。。。

さて、この本の発売記念イベント、通称「ゆるふわ生物学文化祭」に参加してきました。その様子と感想を記録していきます。

ちなみにイベントの正式なタイトルは

最高に楽しい「進化生物学」の祭典!ゆるふわ生物学☆文化祭-新進気鋭の研究者たちがいざなう! 深くて楽しい生物の世界-

です。ロビンソン・クルーソーの初版か?

 

最高に楽しい「進化・・・もといゆるふわ生物学文化祭は、10月15日(日)に東京都文京区は住友不動産江戸川橋駅前ビルで開催されました。自分が参加したのは午前の部。時間は10時から12時半の2時間半。もっとも、実際に部屋を出たのは13時でしたが。

江戸川橋駅を出てすぐのビルに入ると、まずは熱帯魚の水槽がお出迎え。これはゆるふわ生物学とは関係ない、シンプルにビルのインテリアなわけですが、結構好きなので紹介しましょう!

ビルのエントランスにあった水槽

ご覧くださいこの水草!まず一番目立つのがシダ植物ミクロソリウム。日本語ではヌカボシクリハラン属といいます。下の方にある若干スーモっぽい濃い緑のモジャモジャはウィローモス。こちらはコケ植物の水草です。そして葉っぱが丸いのはアヌビアス・ナナ。こんにゃくと同じ、サトイモ科の種子植物です。つまりこの水槽の水草にはコケシダ種子植物という3グループの陸上植物が揃っているんです!

 

そんな水槽を尻目に、エレベーターで3階へ。

エレベーターを降りると、そこには看板が!テンションあがりますな

受付で名前を伝え、名札をお借りします。部屋に入ると、テーブルが並んだ3つの島と、いつも配信で見ている皆さんが。すでに座っている周りの参加者を見ると、小さき方がいて感激!子供たちよ、大人になっても生物の面白さを忘れないでくれーーー!自分が子供のころにゆるふわ生物学があったらどうなってたんだろうな。

で、入って左手前の島に知り合いがいたので座りました。くろきんさん・わけわかめさん・ロッキーさんの植物ブースです。ロッキーさんと去年小石川植物園のお祭りでお会いした話などをしつつ談笑しながら時間を待ちます。ロッキーさんはそれはそれはすごいグイグイ来る。

開始時刻になり、みかみんさんのなんともゆる~いあいさつが。ぬるっと始まりそうなところ、くろきんさんの「スタート!みたいなのないの?」という船場吉兆もびっくりのクソデカアドバイスを受け、無事にスタートできました。

まぁ、進行がゆるくてグダグダしてたのが逆によかったですね。名前もゆるふわ生物学だし、学校の授業みたいなキッチリ感がないからこそ緊張感なく楽しめたんじゃないでしょうか。

ゆるふわ生物学文化祭のシステムですが、3つの島に分かれてそれぞれの机の企画を順々に体験していきます。最初に自分が座っている島、くろきんさん・ロッキーさん・わけわかめさんの島では植物にまつわる企画を楽しみました。

知ってる植物 知らない姿

植物ブースの企画、一つ目は「根も葉も茎もあるよゲーム」。コケやラフレシアをディスっているわけではなく、土の中に埋まっているタイプの野菜を見て、それが根か、葉か、茎なのかを当てるゲームです。出題されたのはさつまいも、サトイモ、にんにく。それらが植物のどの部分なのか考えました。ちなみに長い机が3つあったので、同じ机の4~5人くらいで1チームとなり相談して答えました。

そのさなか・・・

ドゥォンッッッ!

短い地響きのような音が部屋を包みます。発生源はみかみんさんの化石ブース。ハンマーを振り下ろして石を割り、化石を取り出す音です。いつ来るか分からないドキドキ化石破壊ASMRをバックに植物の解説を聞きました。

改めて、「根も葉も茎もあるよゲーム」の話です。野菜によってどこに栄養を蓄えるかが違うの、野菜の多様性を体感できます。いやーニンニクって葉っぱなんですね。知りませんでした。でも、よく考えたらニンニクって放置したら緑の細長いのがニョキっと生えてきますね。そう考えると納得です。

次は「作物のふるさとをさがせ!」またの名を「種ゲッサー」です。でもジオゲッサーに寄せるならシードゲッサーの方がよくない?身近な作物の種を見て、その原産地域を当てるというクイズです。床に置かれた世界地図に、種そのものを置くというなんとも物理的な回答方法でした。

机に並べられた種のみなさん

トマトだけはドライトマトです。どの地域でどんな植物が育ったか、それを人々が利用していったか。自然と歴史の奥深さを実感しました。ヒマワリが乾燥地帯の植物で、短い雨季に一気に成長するという話が面白かったですね。

3つ目は「花・実・葉で組をつくろうカードバトル!」神経衰弱みたいに、植物の写真の中から同じ種類のペア、もといトリオを作るゲームです。

これがむっっずい!普段食べてる作物やよく見る花でも、その種や葉っぱから種類を考えるのは難しい。最初は3チームのバトルだったはずが、最後の方はみんなでワイワイ協力してレイドバトルみたいになってましたからね。

大急ぎで3つのコーナーを終え、大盛り上がりの植物チームをあとに、時計回りで次の島へ。

見ただけじゃわからない!骨格の奥深さ

出入口から見て部屋の左奥にある島は、「さこっち&まろんさんの骨比べ」です。骨比べって聞いたことない単語。まぁ、比較ポケモン生物学なんてシリーズでブログ書いてるくらい比べるの大好きマンとしては素晴らし響きですね。(注意:最近書いてません)

最初はさこっちさんが持ってきた哺乳類の骨格を使ったクイズ。この人、ウーパールーパーの帽子かぶってるけど哺乳類博士なんだよな

自身のコスプレをするさこっちさん。単眼みたいなテープがついてるのは、最初アマガエルのぬいぐるみをつけてたからです

ツシマジカのつしまるくんやイノシシのししおくん、タヌキのたぬきちくん(名前はうろ覚えです)の骨を見ながら、クイズを通して日本の哺乳類の骨について学びました。もちろん、化石かち割りBGMつきです。ドゥン!あんまりさこっちさんとまろんさんの声も聞き取れなかったので、あれは別の部屋でやるべきだったのでは・・・

さこっちさんの哺乳類クイズ&トークのあとは、まろんさんにバトンタッチして爬虫類の骨を見ながらその性質を教わりました。爬虫類のアゴの骨と哺乳類の耳小骨が相同という話はまさに本に載っていたので、まさしく「進研ゼミでやったところだ」状態でした。

スッポンの腹甲 かっこいい・・・

で、後半は骨を近くで見て、しかも触りながら、お二人に自由に質問できるフリータイムでした。これがすごくよかった。自分は骨を見てかっこいいとは思うけど、知識は全然ない骨エンジョイ勢。なので、実物を見ながら「ここはどんな骨なんですか」「この突起ってどう使うものなんですか」と聞ける機会はとても貴重でした。博物館とか、時々動物園水族館にも骨格標本はありますけど、細部まで見ることはできないし、見たとしてもどういう骨なのか、生きているときはどんな風に役立っているのか知ることが難しい。博物館だって、骨のパーツごとに解説版を置くわけにいかないですからね。疑問に思ったことをすぐに質問できるので、おそらく人生で一番「骨を観察するのが楽しい」と思った瞬間です。

今回のMVP つしまるくん

たっぷり質問したところで移動の時間が。

化石って、宝石だ

最後は部屋の出入口から見て右側、みかみんさんのテリトリー。床にはボコボコの段ボール。机にはアンモナイトが入った紙皿。ここでは石をハンマーで割って化石を出す体験と、ちっこいアンモナイトを同じ種類で分ける体験ができました。

実は石を割って化石を出すの、岐阜県瑞浪市で一度体験済みではあるんですけどね。今年4月にコメント類4名で博物館に行きまして、そこで申請すると、近くの河原の石をハンマーと鑿で割って削って化石を見つける体験ができるんです。ただ、今回の化石はそれと全然違いました。

みかみんさんが選んで直接手渡される化石入りの石を、どこで割ったらいいか自分で考えてハンマーを振り下ろす。割れると、石全体が三葉虫なんじゃないかというくらいデっカい三葉虫の化石がきれいに出てきます。こんなきれいに凹凸が残るんだ!と感動。ただハンマーでたたいただけですよ。研磨してないですからね。

ドン!

パカッ

重たいハンマーを振って、きれいに石が割れて、三葉虫が姿を現す。その瞬間のアドレナリンたるや。博物館で見たり、ましてや理科の教科書・資料集で見るのとは全然違うものだと感じます。ただの石ころから、秩序を持った三葉虫が顔を出す。まさに宝石。・・・別に輝いてるわけじゃないんですけど、石の中から出てくると実際の色以上にきれいに見えてきます。

ちなみに植物ブースで触れた通り、今回は長机3つでゆるふわメンバーを囲むような形になっていて、同じ机の4~5人くらいが同じチームみたいな感じでした。ほかの人が割ってるのを見て、最後に自分が割る順番だったんですが、他の人が割ってるのを見ているだけでも充分感動できます。どんな化石が出るかは運しだい、まさに”ガチャ”なので、自分のは頭がないっぽい化石だったんですが、それも個性に思えてきます。まぁ二枚貝も頭ないですからね。(二枚貝に頭がないのは元々です)

チーム全員の化石割りが終わったら、三葉虫の次はアンモナイトです。まぁ地質年代的にもそうですよね。机の上の紙皿に入った小さなアンモナイトたちを、どれとどれが同じ種類、という風に仕分けする体験です。

親指の爪くらいのアンモナイトたち

これがまぁキラッキラなわけですよ。真珠層が虹色に光を反射して、それも個性があってみんな違うわけです。色も違いますけど、たくさんの種類が混じっているので形も個性的。薄かったり厚かったり、短いトゲトゲが生えてたり。正直にぶっちゃけますけどね、分類とか全然やってませんでした。みんなきれいだったり形が面白かったりして、つい見とれてたんで、分類は本腰いれずにただ見てました。とりあえず、アンモナイト分類学者には一生なれないことが分かった。

キラキラが美しいのはもちろん、形もかわいい

短いとげがついてるアンモナイト それで防御できるん?

キラキラした真珠層とはまた違う、黒いのに透明感のある美しさ

ところで、最初に化石を割った人は化石を持ったまま席を移動するの大変だったのでは?自分は最後に化石だったからいいけども。

ということで3つの島での企画を楽しんだら、全員で集合写真など撮りつつ、皆さんにサインをいただいて、予定で2時間半、実際には3時間に及ぶゆるふわ生物学文化祭が終了しました。みなさんにサインをいただいていたらたくさん時間がかかってしまい、申し訳ないなぁと思いつつ、なんだかんだ6名全員のサインをいただきました。皆さんかわいいイラストがついてたり、くろきんさんも「く」と「き」がDNA風になっていたりして芸が細かい!

 

最後に一つだけ。正直思うんですよ。くろきんさんの仕事が少ないと。

植物ブースでは主にロッキーさんが解説してましたし、DNAの話があってもいいんじゃないかと。かといって洗剤つかってブロッコリーのDNA取り出すのもちょっと違う気がするし・・・自分も数年前にDNAを題材にした謎解きを作ろうとしていて、結局挫折した身。くろきんさんの専門分野であるバイオインフォマティクスアウトリーチ向きでないことは十分承知のうえですが、クロキンさんの話も聞きたかったなと思ってしまうのです。どういうのがいいんだろう・・・人力セントラルドグマゲームとかがいいのかな。なんだよ人力セントラルドグマゲームって。つまんなそう。

以上、拙いレポをお読みいただき本当にありがとうございました。