コメント類、二枚貝ホタテにできること ~リモートポケモン学会 学会員の視点から~

本稿は2023年8月1日に配信3周年を迎えるゆるふわ生物学について、ファンの立場で記述するレポートである。ゆるふわ生物学は、ゲームに登場するキャラクターや背景に描かれているものなどを生物学の観点から考察する動画配信を行っている。筆者はゆるふわ生物学のファン、通称コメント類であり、過去2回Twitterにゆるふわ生物学に関するレポートをアップロードしている。黒歴史なんで全然読まなくて大丈夫です。マジで。読まんといて。

 

本稿では、コメント類である自分にできることは何か、というファンの立場の展望を考察する。

筆者はコメント類であると同時に、2023年2月4日に第6回リモートポケモン学会で発表を行い、また8月19日の第8回リモートポケモン学会で発表を控えている、同学会の学会員でもある。本稿ではリモートポケモン学会における運営と一般参加者の関係から、ゲームを考察するコンテンツについて考える。

なお、昨今SNSTwitter」の名称が「X」に変更されたが、本稿では旧来のTwitterと呼ぶ。

 

リモートポケモン学会の構造と魅力

リモートポケモン学会は、ポケモンについての発表をYouTube上で配信する非公式ファンイベントである。2021年11月6日に第1回の配信が行われ、8月19,20日には第8回が開催される。たわし氏(twitter : @soItawashi)が主催を務め、複数の有志運営メンバーによって配信がなされている。運営スタッフによる発表者への配慮は大変に手厚く、適切な準備さえすれば誰でも学会の発表者になることができる。特にツテがあるわけでもない筆者においても、第6回リモートポケモン学会で発表することができた。運営スタッフが発表者を兼ねることもあるが、基本的には一般参加者が自主的に応募し、自身の関心のある内容について発表を行う。この参加者というのが、そんじょそこらのポケモン好きではない。ゲームを受動的に遊んで終わるのではなく、様々な切り口、時には専門性の高い分野の知識を用いてポケモン世界を解析しているのだ。

 

リモートポケモン学会の魅力として、様々な切り口からポケモンを解析する発表により、ポケモンというコンテンツに関する解像度が上がることだと筆者は考える。

今やポケモンは発売から27年が経過し、登場したポケモンの種数は1000を超えた。この巨大なポケモン世界をいち個人が把握しきることは不可能となっている。そこで様々な分野に関心のある個人が集まり、それぞれの得意分野の発表をする。これを視聴することで、自分にはない知識、自分では絶対にたどりつかないであろう視点からの考察を楽しむことができる。これにより広大なポケモン世界への理解が深まるのがリモートポケモン学会の面白さだと筆者は考える。

 

リモートポケモン学会を構成するのはごく一部の熱狂的なポケモンマニアだけではなく、だれもが考察に参加できる。学会での発表のみならず、ポケモンファンたちの集合知を効率よく集める仕組みとしてポケモン週末レポートが存在する。この企画は、毎週金曜日にお題となるポケモン1種が発表され、土曜日の18時から日曜日の間に1ツイート、最大でも140文字と画像4枚でお題のポケモンについて報告するというものだ。

この、「誰もが考察を発表する側になれる」という構造こそ、リモートポケモン学会の神髄であり、受動的な考察の受け取りにとどまらない魅力だと筆者は考えている。ファンによる考察が集まる構造により、一層理解を深めるヒントとなる。なお、筆者個人の体験として、他のファンたちによる考察、発表を見ることで、筆者自身も考察をしたい、と思うことがある。自分にはできないポケモン考察がヒントとなり、新たな考察への呼び水となるのである。

ぽわぐちょである。

 

コメント類は考察に参加できるか

リモートポケモン学会の魅力は、ポケモンファンたちの集合知を用いたポケモン世界への解像度の増加である、と筆者は考える。少数のエグいポケモンマニアの考察を聞いておしまい、ではなく、複数のポケモンファンによる多様な視点からの知見を楽しめるのだ。

では、ゆるふわ生物学において、一般のファンであるコメント類が同様に参加できるだろうか。リモートポケモン学会とゆるふわ生物学を比較したとき、コメント類が積極的に考察に参加するのは難しいと思われる。

リモートポケモン学会のコミュニティがポケモンという1コンテンツの愛好家によって形成され、それぞれの専門分野は違えどポケモンという共通のテーマを扱っていることと比べ、ゆるふわ生物学は扱うゲームのジャンルも多岐にわたり、生物学の扱う範囲も広いことから同じ話題でつながるのは難しい。特にポケモンというコンテンツと、生物学という学問分野では前提となる知識のハードルが全く異なる。学問として成立している生物学について、一般ファンが参加するのは心理的にも難しいだろう。特に筆者は動物の生態を中心に調べていることもあり、植物や菌、原生生物や原核生物、あるいは細胞やDNAといった分野について全くの素人である。こうした生物学の扱う範囲の広さは生物学の魅力であると同時にハードルの高さでもある。何より、ゆるふわ生物学にはリモートポケモン学会におけるポケモン週末レポートのように一般ファンの知見を収集する仕組みがあるわけではない。

これについてはゆるふわ生物学が劣っているということは一切なく、むしろ普通のYouTubeやその他コンテンツがそうであるように、コンテンツの提供者と享受者において一方通行的に情報が受け渡されるという構造となっている。

㕦  ( ( ( ( コンテンツ   ← コンテンツの受け渡し

これが普通であり、一般ファンが当然のように参戦するリモートポケモン学会の方が異常であるといえる。

 

なお、ゆるふわ生物学の視聴者がTwitter上で考察を発表した事例がないわけではない。ゆるふわ生物学の活動は、視聴者の考察意欲を掻き立て、創作世界についての解像度の向上に役立っている。具体事例として以下のツイートを引用する。

 

事例は少ないが、ゆるふわ生物学の活動が創作世界に関する考察のきっかけとなっていることが分かる。創作世界と現実世界の生物で共通点が見つかったり、創作世界の事象が現実世界の生物学の理論を用いて納得のいく説明がついたとき、それを見つけた時の興奮は語るに及ばない。

また、筆者が第6回リモートポケモン学会で発表したヤドランのしっぽについているシェルダーに関する考察もゆるふわ生物学の配信を参考としている。

 

とはいえ、やはりコメント類が生物学とゲームについての包括的知識を持ったうえでゲームの生物学的考察を一から完成させるのは難しい。そんな中でコメント類にできることがあるとしたら何だろうか。筆者は、生物やゲームに関する断片的な情報だけでも提供、整理することはできるのではないかと考えている。

ゆるふわ生物学の主たるコンテンツは生配信によるゲーム実況である。配信の最中にはキャラクターの名前が思い出せなかったり、現実生物における具体的な事例を求めたりすることが稀にある。そうしたとき、コメント欄でヒントを提供することは、ゆるふわ生物学ならではのファンの参加ではないだろうか。例えばリモートポケモン学会では事前にスライドを用意し、その通りに発表するため、発表中に一般ファンが考察に参加するということは原則としてありえない。筆者が発表した際もYouTubeのコメント欄を見る余裕はなく、あとから見返したものである。視聴者が発表者に意見を出せるのは発表後の質疑応答において質問を投げかけるくらいである。

もっとも、リモートポケモン学会のコメント欄は非常に盛り上がる。特に増田順一氏の話題が出た時には頼んでもないのに増田で埋め尽くされる。増田氏の話題が出てこなくても増田で盛り上がることすらある。しかしこれは考察に参加しているというわけではなく、コメント欄の空気感を楽しんでいるものである。その点、ゆるふわ生物学の生配信は台本のない行き当たりばったりの配信であり、視聴者のコメントを柔軟に取り入れながら配信が進むことも珍しくない。そこでコメント欄に考察のヒントになりうる情報を書きこむことで、視聴者も一体となり協力して考察ができる。これは配信しながらゲームの考察をするコンテンツならではの参加の仕方、楽しみ方である。

筆者はゆるふわ生物学のコメント欄に書き込む時、純粋な感想を述べることも多々あるが、それ以外にも補足情報、関連する専門的な単語、登場した単語を漢字で書いたときの書き方やその漢字の意味、時にジョーク(ごくまれにウケる。よくすべる。)を発信している。また視聴者が勘違いしそうな情報などについて訂正的なコメントを入れることもあり、例として2023年7月21日のピクミン4の配信『#1【ピクミン4】生物学ガチ勢がピクミン最新作で調査開始!』ではロッキー氏が最小の花を咲かせる植物として「ミジンウキクサ」と聞き取れる発言をしたのに対し、正しい名称はミジンコウキクサであることをやんわりと伝えるため、筆者は「ミジンコウキクサ、ミジンコより小さい」とコメントを入力している。

ロッキー氏がミジンウキクサと発言するシーン

#1【ピクミン4】生物学ガチ勢がピクミン最新作で調査開始! - YouTube

なお、実際にはミジンコウキクサと発音しているのかもしれないし、筆者の知識不足でミジンウキクサの方が正しいのかもしれないが、現状インターネットで検索してもミジンウキクサという単語はほとんどヒットしない。

逆に筆者は7月30日の配信のコメントで「シエラ・ネバダは新しい山脈という意味」という誤った情報を発信してしまい、気づいた直後にコメントを削除したものの配信内で読み上げられてしまった。補足情報を流す際にコメント類自身もまた細心の注意を払うべきだと痛感したものである。なおシエラネバダの正しい意味は「雪のかかった山脈」である。

 

筆者はゆるふわ生物学について、コンテンツを提供者から享受者へ一方通行的に受け渡される形式と述べたが、生配信でのゲーム考察においてはそうではない。配信におけるコメント欄での考察等への参加ができるという点で、一般的なコンテンツとも、またリモートポケモン学会とも異なる参加形態のコンテンツだと考える。

コメント類が集まり、それぞれの得意分野を生かし、持ち合わせた情報をヒントとして出し合い、時に誤情報を訂正しあいながら、一つの考察を作り上げていく。それこそがコメント類にできることなのではないだろうか。一人で考察を完成させなくてもいい。たとえ断片的知識であっても、コメント欄に放流し、視聴者と配信者に手がかりを届けることがコメント欄にできる参加なのだと筆者は考える。リモートポケモン学会の、ポケモンファン個々人が単独で考察を作り上げ完成品を持ち寄るのとはまた趣向の異なる参加形態だ。

筆者は、ゆるふわ生物学とリモートポケモン学会の間に優劣をつけるつもりは一切ない。それぞれに独自のゲーム考察システムを持ち、それぞれのスタイルで、広大なゲーム世界と現実世界の理解を深め解像度を向上させる。この形態を生み出した「偉大な先人」たちを心より尊敬する。

これからもリモートポケモン学会学会員兼ゆるふわ生物学コメント類として、皆様の楽しいゲーム考察の一助となれたら幸いである。

まるでギンブナ!?ポケモン繁殖の謎を考える【比較ポケモン生物学-4】

次はリコといっしょーに?

Are You Ready?

 

ん〜 やれるかな? 一緒にやってみよう!

トロオドン キノドン ディプロトドン

マストドン ドーンベア ヘクソドン!

 

こんにちは。ドンから始まる5文字の生物が思いつかなかった二枚貝ホタテです。

おととい、6月23日(金)。アニメポケットモンスターのあとに放送されたギョギョッとサカナ★スターで、ギンブナが紹介されていました。

ギンブナの繁殖は大っ変に興味深い。生物学的に面白いのはもちろんですが、ポケモンの繁殖について考察するうえで重要なのでは?と思ったのでブログにまとめてみました。

 

弱いオスなんていらない

ギンブナはオスがほぼいない。実質メスしかいないのに、なぜか子孫を残している。ギンブナのメスたちは卵を産むが、精子がない。しかし他の種類のフナやコイなど、比較的近い魚の精子があれば、その精子がトリガーとなって卵の発生が始まる。ただし受精はせず、母親の遺伝情報がまるごと引き継がれ、メスのギンブナが誕生する。

 

ここで注目したいポイントは

・繁殖にはオスとメスが必要だが、オスは近縁の他種でOK

・オスが他種であっても母親と同じ種類の子供が生まれる

ということだ。

 

え?これって、ポケモンじゃね?

ポケモンの繁殖は、ざっくりいうと以下のようなシステムだ。たとえばニャオハの卵が欲しいとする。ネコの卵ってなんだよと言いたい気持ちをグッと抑え、ピクニックを始める。ニャオハのメスと、同じタマゴグループに属するポケモンのオスがいれば、バスケットの中にいつの間にか卵が現れる。この時オスはニャオハ、もしくはニャオハの進化系であってももちろんOKだが、タマゴグループが同じポケモンならそれでもOKだ。ニャオハのタマゴグループは陸上と植物の2つ。どちらか一つでも共通しているポケモンなら、ニャオハのお婿さん候補になる。ちなみにタマゴパワーを高める食べ物を食べておくとタマゴが見つかりやすくなる。多分、産卵を誘発するホルモンかなんかが入っているのだろう。ポケモンの繁殖を促す食べ物・・・一部の特殊なフェティシズムをお持ちの方が喜びそうではある。

 

ポケモン

・繁殖にはオスとメスが必要だが、オスは同じタマゴグループの他種でOK

・オスが他種であっても母親と同じ種類の子供が生まれる

という特徴がある。

先ほど述べたように、ギンブナは、

・繁殖にはオスとメスが必要だが、オスは近縁の他種でOK

・オスが他種であっても母親と同じ種類の子供が生まれる

なんだか似てるなぁ。

ということは、ポケモンのメス単体で卵を作る能力があるものの、メスだけでは卵の発生が始まらず、オスの精子がトリガーとなって卵の発生が始まるのではないだろうか。そしてどのポケモンのオスでもいいわけではなく、タマゴグループが同じ、つまり相性のいいポケモン精子でなければ、卵の発生を始められないのだろう。

 

ポケモンの繁殖は本当に謎だらけ。しかし他種のオスでもOKで、メスと同じ種類が生まれるという特徴だけ見ればその繁殖形態はギンブナと酷似している。

 

ポケモンのオスの存在意義とは

ポケモンとギンブナの共通点を見たので、次は違うところを考えたい。

ギンブナにはほとんどオスがいないとされている。実質すべてメスだ。ポケモンにもハピナスミルタンクのようにメスしか見つかっていないポケモンがいるが、多くのポケモンにはオスとメスの両方がいる。あと、生物学的に意味が分からないがオスしかいないポケモンなんてのもいる。オスのポケモンだって、相手がメタモンだとタマゴができる。なんでだよ。何者なんだよメタモン。もうこのあたりは考察できないので今回は触れないでおこう。

ポケモンのオスはなんのために存在するのだろうか。もしギンブナと同じ繁殖形態なら、メスだけの方がいい。その方がみんな卵を産めるからたくさん増えることができる。しかしポケモン全員がメスになってしまうと、今度は誰も繁殖できない。だからオスが必要だ。では、オスにメリットがあるのだろうか?

普通の動物はオスとメスの精子・卵が受精することで遺伝情報が組み合わさって子供が生まれる。そのため子供には父親の遺伝情報が半分引き継がれる。一方ギンブナ式繁殖形態だと精子は卵を発生させる引き金でしかなく、精子に入っている遺伝情報が生かされることはない。精子くんかわいそう。

ポケモンのオスの存在意義とは何か。ヒントをくれるのは、ビークインエンニュートだ。ビークインミツハニーから進化、エンニュートはヤトウモリから進化する。ミツハニー・ヤトウモリはオスとメスの両方いるが、進化できるのはメスだけ。そして女王であるビークインエンニュートはフェロモンを出して進化前たちをこき使うのだ。

ヤトウモリについて、バイオレットの図鑑説明にはこう書いてある。

メスのみが フェロモンを 発する ガスを 作れる。 骨抜きにされた オスは メスの 言いなりになるぞ。

子供向けのゲームに書いていいギリギリを攻めすぎだろ。

 

逆にオスしかいない進化としてはエルレイドが挙げられる。しかしこちらはビークインとはわけが違う。進化前のキルリアは、オスもメスもサーナイトに進化可能。そしてオスだけはめざめいしエルレイドに進化可能。ということで、キルリアのメスは、エルレイドにはなれないが、サーナイトに進化する可能性がある。一切進化できないミツハニー・ヤトウモリのオスとはわけが違う。

そして、これは私見でしかないが、エルレイドはまるで騎士のような風貌をしている。メスにこき使われているようには見えないけれど、メスを守るための姿、という印象を受ける。

 

ポケモンの世界のオス、それは、繁殖するメスを守り、時にはこき使われ、支えるためにだけ存在する健気な存在なのかもしれない。しかしそうしたオスを一定割合生み出すことが、生き馬の目を抜く厳しいポケモン世界で確実に繁殖するための秘訣なのだろうな。

 

参考文献

zukan.pokemon.co.jp

 

「鳥は恐竜」を考える ~第2章 ザ・フライング・ダイナソー~

こんにちは。動物マニアの二枚貝ホタテです。

 

鳥は恐竜なのか、恐竜ではないのか。この問題について考える第2回です。第1章では

・生物の分類は、大きなグループの中に小さいグループ、その中にさらに小さいグループという階層構造で整理している

・生物の分類は、人が整理しやすいことが重要であり、生物の進化の歴史とかみ合わないことがある

という話をしました。

今回はいよいよ物語の主役、鳥と恐竜について考えます。

ティラノサウルスは爬虫類

Dinosaurという言葉を生み出し、恐竜という分類を提唱したのは、リチャード・オーウェン。恐らくですが、映画「ジュラシック・ワールド」の主人公の名前は彼からとっているのでしょう。Dinosaurとは恐ろしいトカゲという意味で、恐竜の名前によくついているサウルスという単語もトカゲのことです。また、最初に名前が付けられた恐竜の一種であるイグアノドンは、「デカいイグアナの歯が見つかった。これはデカいイグアナがいたんだな」という感じで、発見当時は単なるデカいイグアナだと思われていました。

事実、恐竜はトカゲやカメ、ワニと同じ爬虫類の仲間です。ただ、他の爬虫類とは足の生え方が違います。トカゲなどは胴体から足が横に生えています。前足は腕立て伏せや貞子のような感じ。後ろ足は四股を踏む力士のような蟹股のイメージ。一方恐竜は、足が横に伸びず、すぐに下へと降りていきます。

いきなりポケモンの話で恐縮ですが、コライドンはトカゲと同じ蟹股、モトトカゲは恐竜と同じ下に伸びる足をしています。もしやモトトカゲは恐竜?トカゲって名前ついているけど、まぁ、恐竜だってサウルス(トカゲ)って名前についているわけだし、別にいいか。

閑話休題ティラノサウルストリケラトプスは、足の生え方が特殊ですけど、爬虫類の一部です。一方、鳥は爬虫類に含まれません。

 

鳥 Episode:ZERO

恐竜といえば大きい、というイメージがありますね。しかしティラノサウルスなどの肉食恐竜が属する竜盤類の仲間には数十センチしかないミニ恐竜もいました。名前に小さいを意味するミクロがつく、ミクロラプトルなどです。現代でいうリスやサルのように、樹上生活しながら暮らす恐竜もいたことでしょう。木の上で暮らす動物にとってストレスなのが、木から木へ移るとき。一回地面に降りてまた登るのは大変だし時間とエネルギーの無駄。そのうえ地上は大きな肉食動物がいて危険です。できることなら、ジャンプで遠くの木まで移りたい。そんな進化を遂げたのがモモンガのように滑空する動物。下まで降りずに木から木へ移動する能力を進化させた動物です。

樹上生活するミニ恐竜の中にも、モモンガのように進化したものが現れたことでしょう。手足を広げ、木から木へ、紙飛行機のように斜めに落下する恐竜です。さらに時が流れ、腕を上下に羽ばたくことで飛行能力が向上、そうして生まれたのが、鳥類と考えらます。

もっとも、恐竜が翼を手に入れるきっかけについては様々な説があります。今書いたのは、国立科学博物館で恐竜を研究する真鍋真副館長が恐竜博2023のギャラリートークで話していた内容に自己流の解釈を加えたものになります。

ではここで、文字通り鳥の始祖とされる始祖鳥に登場してもらいましょう。恐竜のような顔としっぽ、鳥のような羽毛、鳥っぽいけど爪の生えた翼を持つこのキメラ的生命体は、空を羽ばたいて飛ぶことが苦手だったと考えられています。鳥が力強く羽ばたくには発達したムネ肉、すなわち大胸筋が必要です。巨大な大胸筋がつくには、土台として骨も大きくないといけません。その大胸筋を付ける土台というのが、胸骨から前に向かってどーんと飛び出た竜骨突起。現代の空を飛ぶ鳥やペンギンにはこの突起がありますが、始祖鳥にはありませんので、恐らく始祖鳥は羽ばたくことはせず、モモンガのように滑空だけしていた、と推測されています。

 

鳥か?恐竜か?少なくともスーパーマンじゃない!

現在、「鳥は恐竜の中から進化してきた」という説はほぼすべての生物学者が同意しています。鳥の特徴を持つ恐竜がたくさん発見されていることも理由の一つです。先ほど一瞬だけ登場したミクロラプトル。この恐竜は、前足と後ろ足の両方が翼となっており、やはり滑空したと考えられています。その復元図を生物マニアでない人に見せてこれは何かを尋ねたら、これは鳥だと答えることでしょう。

鳥と恐竜は全然違うじゃん。というのは素人の意見です。今や「これは鳥か?それとも恐竜か?」と判断に悩むような化石が出てくるのです。そこで、恐竜学者・古生物学者は、こう考えるようになりました。

”恐竜は、鳥を含む。”

現在、恐竜という単語の定義として、以下のようなものが使われることがあります。

トリケラトプスと鳥類の最も新しい共通祖先とその全ての子孫」

なんなら、鳥類の部分をスズメに変えることもあります。この定義でいえば、当然スズメも恐竜です。ニワトリもダチョウも恐竜。

 

世界三大恐竜博物館の1つ、福井県立恐竜博物館。そのHPの恐竜・古生物Q&Aにはこう書かれています。

恐竜ってどんな生き物なの?
中生代三畳紀に地球に現れた爬虫類のグループの一つです。大きいものも小さいものも、肉食のものも草食のものも、絶滅したものも現在生きているもの(=鳥類)もいます。ワニやカメ、トカゲ、魚竜、首長竜、翼竜などは別の爬虫類のグループに属していて、恐竜ではありません。

鳥が恐竜ってホント?
鳥類は、羽毛の生えた獣脚類(羽毛恐竜)のなかまから進化したことがわかっています。このことなどから、現在では、鳥類も獣脚類の一部に含まれると考えられています。ですので、現在も1万種ほどの恐竜類が世界中にいることになります。

近年の相次ぐ羽毛恐竜の発見から、祖先の獣脚類から鳥へ、次第に羽毛や骨格が飛ぶことに適応して変化していったようすが明らかになってきました。「いわゆる恐竜」と「いわゆる鳥」との中間的な姿のものが多く見つかっていますが、一般には始祖鳥とそれ以降の子孫が「鳥類」と呼ばれています。

第1章冒頭で、WoWキツネザルさんの投稿を紹介しました。鳥は恐竜です、と断言するツイート。少なくとも、古生物学者の唱える恐竜の定義でいえば、鳥は恐竜の一部として扱われており、鳥は恐竜といっても間違いないのです。

 

鳥のトリレンマ

さて、鳥は恐竜から進化してきたことが分かりました。というか、そういう説がほぼすべての学者によって支持されています。また、恐竜学者は恐竜というグループに鳥を入れると考えているみたいです。

では、リンネ式階層分類体系について考えていきましょう。

まずはティラノサウルス・レックスの分類から。

動物界 脊椎動物門 爬虫綱 竜盤目 ティラノサウルスティラノサウルス属 レックス

となります。爬虫綱は爬虫類のことです。では、鳥の分類は?スズメの分類は以下の通りです。

動物界 脊椎動物門 鳥綱 スズメ目 スズメ科 スズメ属 スズメ

鳥綱は鳥類、シンプルに鳥のことと言って問題ないでしょう。ここで、鳥は恐竜に含まれるか考えてみます。

恐竜は、爬虫類の一部です。で、仮に鳥は恐竜の一部とします。この時、鳥は爬虫類の中に含まれることになりますね。何言ってるか分からないよ、という方は、紙に三重の丸を描いてください。一番大きい丸の中が爬虫類。トカゲもティラノサウルスもこの中に入っています。その中にある中くらいの丸が恐竜。一番小さい丸が鳥です。どうですか?鳥、爬虫類の丸に入ってますよね。

しかし、鳥は爬虫類には含まれません。ティラノサウルスは爬虫類ですがスズメは鳥ですね。鳥綱は爬虫綱と別のグループとして扱います。恐竜というグループは爬虫綱の中に入っていますから、爬虫綱の外にいる鳥綱は恐竜には入ることができないのです。

つまり、矛盾が生じているのです。

①鳥は爬虫類ではない

②恐竜は爬虫類の一部である

③鳥は恐竜の一部である

の3つが同時に成立することなどありえないのです。このように3つの条件のうち2つが成立すると残り1つが成立しない矛盾したシチュエーションをトリレンマといいます。ジレンマのジを、3を意味するトリに変えたものです。鳥だからではありません。

分類の世界において、鳥は恐竜です、と言ったら間違いなのです。

 

そもそも生物の分類は人間が整理しやすいように分けているもの、でしたね。生物のグループAからグループBが進化したからといって、BをAに含む必要はないのです。

例えば、脊椎動物無脊椎動物の中から進化しました。最初の動物に骨なんてなかったわけですから、当然最初の脊椎動物無脊椎動物から進化したはず。では、「脊椎動物無脊椎動物に含む」「脊索動物は無脊椎動物の一部だ」「脊椎動物無脊椎動物です」と言ったらどうでしょう?さすがにおかしいですね。脊椎動物無脊椎動物に含まれないように、鳥が恐竜から進化したからって、鳥を恐竜に含む必要性はないのです。

現在広く使われている分類は、化石で見つかる古生物に向いていません。生物の進化はグラデーションのように進みます。人間が、こうしたら整理しやすいようねと言いながら勝手に境界線を引く行為、それが分類なのです。そもそも生物に区切りなんてものはなく、どこから鳥、どこまでが爬虫類と人間が勝手に線びきしようとしているだけです。爬虫類と鳥の境界線はどこかを考えると混乱が生じるのは当然の帰結です。だって、そんなものないんですから。

現在、鳥は恐竜とする派閥と、鳥は恐竜ではないとする派閥が存在します。どうすればこの混乱を無くすことができるのか。素人ながら思うのは、「恐竜と鳥を含む新しい分類群の名称」を作った方がいいということです。

分類は生物研究とともに再編されることがよくあります。例えばクジラ。かつてはクジラ・イルカを独立した一つの分類、クジラ目としていました。しかし化石やDNAの研究により、クジラ類とカバ類が近い仲間であると判明しました。カバは偶蹄類。ウシやブタと同じ仲間です。カバはクジラに近い仲間なのに、ウシやブタに近いことになっている。正しくするには、カバを偶蹄類から外してクジラに入れるか、クジラを偶蹄類に入れるかの二択。分類学は後者を選びました。現在、クジラ偶蹄目、ないし鯨偶蹄目という分類がクジラとカバのために生み出され、ここにクジラもイルカもカバもウシもブタもキリンもシカもラクダも入っているのです。

鯨偶蹄目という新しい分類が生み出されたように、鳥が恐竜の一部から進化したと判明した時点で、鳥と恐竜の両方を含む新しい分類群を設定するべきだったと思います。そうすれば、このような混乱は生まれなかったことでしょう。恐竜という言葉に、それまで鳥を含んでなかったのに、いきなり鳥を入れてしまった。これが古生物学と分類学がかみ合わない原因だと考えています。

まぁ、世界中の天才恐竜学者がこんなアイデアを思いついていないわけがないので、恐らく何かしらの欠陥があるんだと思います。分かる方教えてください。

 

そもそも、恐竜という単語の定義があいまいでぐちゃぐちゃです。古生物の世界では鳥を恐竜に含めますが、日常生活では鳥は恐竜に含めないことが多いです。そのうえ図鑑なんかでは、恐竜図鑑に鳥はあんまり載ってないどころか、あろうことか翼竜や首長竜といった、恐竜ではないけど同じ時代の爬虫類まであたかも恐竜の一員みたいな顔して載ってます。恐竜という言葉がさす生物の範囲が、使う場面によって全然違うのです。

恐竜に詳しい人は、今使われている恐竜という単語がどの意味なのか、経験と知識から判断できます。

「恐竜は隕石によって絶滅しました。」

(あ、今の恐竜は鳥を含まないほうだな)

「しかし、今も恐竜は生き続けています。」

(こっちは含む方か。)

といった感じ。でも、そうやって恐竜という単語にいろんな意味を持たせ使い分けてしまった結果、このような混乱が生じているような気がするのです。

 

結論:古生物学者は「鳥は恐竜の一部だ」と考えている。しかし分類の世界では鳥を恐竜に含めていない。したがって、鳥は恐竜という文言は正しいともいえるし正しくないともいえる。

 

 

 

参考文献

www.dinosaur.pref.fukui.jp

www.dinosaur.pref.fukui.jp

natgeo.nikkeibp.co.jp

「鳥は恐竜」を考える ~第1章 大きい分類 小さい分類 そんなの人の勝手~

こんにちは。ただの動物好き、二枚貝ホタテです。

 

昨今、鳥は恐竜だ!いや、恐竜じゃない!という話題をたまに見かけます。

 

たとえば、環境系エンターテイナー、WoWキツネザルさんの投稿。鳥は恐竜です!と断言しています。

一方、この次の日にはこんなツイートが。

フジツボ研究者のかめふじさんのツイート。鳥は恐竜の一部から派生した生物です!と表現を変えていますね。つまり鳥は恐竜ではないと言えます。

さらにその次の日のWoWキツネザルさんのツイートがこちら。

表現がよくなかったとして謝罪しています。

うーん、結局鳥は恐竜なのか?恐竜じゃないのか?これは一言でズバッと説明できる内容ではありません。ある見方をすれば鳥は恐竜といえなくもないし、でも別の見方なら鳥は恐竜に含まれない・・・ということで、自分は生物学者でもなんでもない動物マニアですが、この問題に自分なりの答えを出したいと思います。

 

生き物、ちょっと多すぎるから整理しようぜ!

 

スウェーデンの植物学者、カール・フォン・リンネは分類学の祖ともいわれています。彼は生物を仲間に分けて整理する、つまり分類するという方法を確立しました。その仕組みは、彼の名をとって「リンネ式階層分類体系」と呼ばれています。

実はこれ、あるものに似ています。それは住所。

例えば国立科学博物館上野本館の住所は 東京都台東区上野公園 7-20 です。注目してほしいのは、東京都>台東区>上野公園ということ。まずは大きなくくりである都道府県。次に、その中の市区町村区。さらにその中にある細かい場所。という風に、住所はだんだん狭まっていきます。最初は大きなグループから始まり、その中にある小さなグループ、さらにその中のもっと小さなグループ、と階層を作るように整理しています。グループの中に小グループがいっぱいある、というのを繰り返す構造です。

リンネ式階層分類体系も同様です。例えばヒトの分類は 動物界 脊椎動物門 哺乳綱 霊長目 ヒト科 ヒト属 ヒト です。最初は「動物」というデカいグループから始まり、徐々に小さいグループに狭めていき、最後はヒトというたった一種にたどりつきます。住所でいう都道府県や市区町村みたいに、生物においては界、門、綱、目、科、属、種を使います。これこそ、生物の分類の最重要な方法なのです。

さて、生物の分類は、どのような基準で分けているのでしょうか。先ほど住所の例を出しましたね。例えば、多摩川という川によって、東京都と神奈川県の境目が設定されています。多摩川に行って「あそこに川が流れている。そうですよね?」といえば、だれから見ても、どの動物から見ても、なんなら宇宙人から見ても疑いの余地がない事実です。では、「あの川で東京都と神奈川県が分けられてる。そうですよね?」と言ったら?これは日本政府が土地を勝手にそう分けているだけですから、宇宙人から見たら「知らねぇよ。人間がそう分けてるだけで、別に自然の摂理でもなんでもないだろ。あっちの鶴見川で分けたっていいじゃない」と思う、かもしれません。宇宙から国境は見えない、なんて言葉もありますよね。別に、どこで県を分けなくちゃいけない!というルールはないのです。

さて、カラスが飛ぶのは自然の摂理です。人から見てもカラスからしても、カラスは飛びます。人はこのカラスという生き物を「スズメ目」というグループに入れています。でも、カラスに「あなたはスズメ目ですよね?」と聞いたって、カラスからしたら知ったことではありません。人が勝手にスズメ目というグループを作って、そこにカラスを入れているだけなのです。

 

理不尽な分類?無脊椎動物

分類は、あくまで人が生き物を整理しやすいように分けているだけです。だから人間中心で考えています。ここでは無脊椎動物という概念について考えてみましょう。大多数の動物は背骨を持ちません。しかし人間は、自分たちが背骨を持つからという理由で、動物を背骨がある仲間とそれ以外に分けたのです。

え?「背骨がある仲間」と「背骨がない仲間」に分けたんじゃないか、って?

私に言わせれば、動物を脊椎動物無脊椎動物に分けるというのは、あらゆる企業をファミレスとファミレス以外に分ける、とか、日本人を群馬県民と群馬県民以外に分ける、みたいなものです。実質ローランド。

そもそも無脊椎動物の方が多くて、昔からいます。動物の世界の主流であり源流です。そのごく一部が脊椎動物に進化したわけです。種数でいえば無脊椎動物の方が多いし、なんなら、巻貝だけでも脊椎動物全体より多いと思います。

 

さて、あなたはちょっと変わった寿司屋、分類ずしにやってきました。

「へいらっしゃい!うちは分類ずしだよ。今から5種の寿司を出すから、お客さんはその寿司ネタの生物を2つのグループに分けてくれ。もし大将が好きな分け方と同じだったら、大トロを一貫サービスするからさ。ちなみにうちの大将、生き物を分類するときは、その生き物の進化の歴史を大切にするらしいよ。」

そしてあなたの前には

ヒラメ、サーモン、ウニ、ホタテ、アマエビ

の5貫と、2枚の皿が運ばれてきました。

さぁ、あなたはどんな風に2つのグループに分けますか?

 

 

 

~シンキング・タイム~

 

 

 

 

大将を喜ばせる分類、それは・・・

 

 

 

【ヒラメ・サーモン・ウニ】 と 【ホタテ・アマエビ】

です。どうでしょう、大トロは手に入りましたか?

多分、生物学を学んでいない方なら、ヒラメ・サーモンを魚、ウニ・ホタテ・アマエビを魚ではない生き物、と分けるでしょう。

しかし進化の歴史を考えると、違った分類が見えてきます。

まず、動物の中でも原始的な特徴を残すとされるクラゲなどは、口と肛門が同じ穴です。すみません、寿司食ってるときに肛門とか言って。分類ずしはこういうお店なんで許してください。

魚も人も、ウニも貝もエビだって、口と肛門が分かれている動物ですね。でもって、どの動物も一番最初は球体の授精卵からスタートします。細胞分裂して成長する中で、ある時、球体にへこみができてきます。この最初にできるへこみを原腸といい、開いた穴を原口といいます。貝やエビは、成長すると原口が口になります。先に口ができるので、前口動物といいます。一方、脊椎動物やウニの原口は肛門になり、そのあと口ができます。あとで口ができるので、後口動物といいます。

つまりこう考えられます。今から何億年も昔、2つのグループが誕生しました。片方は、先に口を作る動物A。やがてこの動物Aが、貝やエビに進化します。もう片方は先に肛門を作る動物B。このBが、魚やウニに進化するのです。だから、さっきの5つの寿司ネタを分けるとき、進化の歴史に沿って考えると、ヒラメ・サーモン・ウニの後口動物と、ホタテ・アマエビの前口動物に分けられるのです。

 

さて、脊椎動物は後口動物の中の一グループで、それ以外が無脊椎動物です。というと、無脊椎動物にはどんな動物が入るでしょうか?

・口と肛門が分かれていない動物(クラゲなど)

・前口動物(貝など)

・後口動物から脊椎動物を除いたもの(ウニなど)

無脊椎動物に入るわけです。なんか雑な気がしませんか?

 

無脊椎動物という分類は、人間が、人間中心で動物を整理した結果生まれたものです。けっこう傲慢な行為だと思います。しかし、それが悪いことかといえば、答えはNOです。

だって、分類は人間がやっていること。人間が勝手に生物の間に境界線を引いて、人間のために整理しているのです。だから人間にとって使い勝手がいいかどうか、それこそ最重要事項なのです。絶対に進化の歴史に合わせた分類でなければならないというルールはないのですから。いや、実をいうと、進化の歴史に合わせた分類を尊重する考え方もあるんですけど、その話はやめておきますね。

 

結論:そもそも生物に正しい分類などというものはない。人間が整理しやすいように勝手に分けているだけである。

 

おい!恐竜と鳥はいつ出てくるんだ!

ということで第2章では恐竜と鳥の進化の歴史、そして人間がその2つの生物をどう分類してきたかを考えます。

 

 

参考文献

利用案内・情報 ≫ アクセス・利用案内 :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyo

 

diamond.jp

ヌシポケモンたちの生物学小ネタ【比較ポケモン生物学-3】

ポケッス! 二枚貝ホタテです。

パルデア地方での宝探しはいかがでしょうか。

ポケモン、実は「細かすぎる!そんなの生物好きしか気づかないだろ」という小ネタが豊富にちりばめられています。

 

今回は、レジェンドルートで主人公とペパーに立ちはだかる巨大な奴ら、ヌシポケモンに注目します。

 

①オトシドリの声

最初は大空のヌシ、オトシドリ。登場時に空から舞い降りて「ストオオオクッ!!」と鳴きます。実況動画で確認したら、最後の!!はイタリック体でした。スピード感があっていいですね。

それはさておき、オトシドリの鳴き声がストオオオクッ!!なのを見て、自分はゲラゲラ笑ってしまいました。オトシドリの見た目はコウノトリそのもの。そして・・・

コウノトリは英語で、STORK なのです。

シャリタツの「オレモヌシー」は分かりやすいですが、オトシドリも洒落になっているんですね。

コウノトリといえば、赤ちゃんを連れてくるという逸話で有名な大型の水鳥。

日本にはニホンコウノトリが生息していましたが絶滅、現在は中国の個体群を繁殖させ、野生に復帰させる取り組みが行われています。

ちなみにニホンコウノトリの英名はOriental Storkです。目の周りが赤く、クチバシが黒いのが特徴です。

ニホンコウノトリ ズーラシア

幸福をもたらすという伝承は、ヨーロッパのシュバシコウが由来。

朱色のクチバシのコウノトリ、ということでシュバシコウ。英名はWhite Storkです。ニホンコウノトリと同種とする考えもありますが、別種とするのが一般的のよう。クチバシが赤いですが、逆に目の周りが黒いです。ニホンコウノトリと逆ですね。

シュバシコウとコサギ 天王寺動物園

夏、煙突にシュバシコウが巣をつくると家に幸せが訪れると言われています。

オトシドリの姿は、クチバシが赤いのでまさにシュバシコウそのもの。しかし色違いはクチバシが黒い。目の周りも通常色が黒、色違いが赤です。やはりシュバシコウ・ニホンコウノトリのカラーリングです。

 

②トカゲじゃないけどしっぽ切り ミミズズ

次のヌシポケモンはミミズズ。ポケモン史上初の環形動物ポケモンです。

ミミズは基本的にエラ・肺を持たず、皮膚から直接酸素を吸って二酸化炭素を捨てる動物。なので体が太くなると、真ん中まで酸素が届きにくいので酸欠になってしまいます。ミミズズはヌシポケモンになったとき呼吸できるんでしょうか?まぁ表面が硬そうなので皮膚呼吸はしてなくて、別に呼吸器官をもっているんだろうとは思います。

さて、ポケモンと生物を比較するうえで注目する要素としては、先述の鳴き声のほかに、見た目、名前(海外での名称を含む)、ぶんるい、しんか、図鑑説明、動き方、タイプ、とくせい、覚えるわざ、生息場所などなど、枚挙にいとまがないわけですが、次はミミズズのわざ「しっぽきり」に着目しましょう。

しっぽきりはモトトカゲとミミズズしか使えない準専用技。トカゲが敵から逃げるためにしっぽを切るのは有名ですな。それをミミズズが使うということは・・・

そう、ミミズもトカゲのような生態があるということ。

トカゲのしっぽきりのように、生物が体の一部を切り離す行動を自切といいます。タコやカニ、ナナフシなんかは脚を切り離します。トカゲのしっぽがそのうち再生するように、脚を自切する動物も時間とともに再生する傾向にあります。リスはしっぽの毛、リュウグウノツカイは体の後半を自切しますが、こちらは再生しないと言われています。一生に一回限りの大技です。

ミミズはシンプルな体の構造の動物。再生能力も高く、体の後ろ側を切って囮にし、そのあと再生させることが可能な種がいます。

 

しかし、それだけではないのがミミズのすごさ。

ミミズは基本的に雌雄同体ですが、自分の精子と自分の卵で繁殖するわけではありません。精子を交換し有性生殖で卵を産んで増えます。ちなみに、頭の近くに太い帯のような部分(環帯)がある種類は、ここから卵を作って頭から産卵します。しかし!ミミズには無性生殖で増える種が存在します。つまり分裂して自らのクローンを生み出すということ。ヤマトヒメミミズは、ある程度成長すると体が10個くらいに切れて、その切れ端たちが1個体として新たな人生をスタートします。なんと4日ほどで頭やしっぽが再生してしまうんだとか。

しっぽきりで身代わりを作るミミズズ。もしかして、その身代わりを放置しておくと・・・。

 

③ヘイラッシャのフランス語名Oyacata

最後は偽竜のヌシ、と言っていいのか微妙ですが、おおなまずポケモンヘイラッシャです。

ヘイラッシャの名前の由来は「へいらっしゃい」という寿司屋っぽい挨拶だと思うんですが、他に何かかけているんですかね?シャリタツが口の中へ入ることも「いらっしゃい」だからかけているのでしょうか?

さて、先日開催された第7回リモートポケモン学会にて、カルフールさんがポケモンのフランス語名について発表していました。ポケモン名は英語・イタリア語・スペイン語が共通であるのに対し、フランス語は独自の名前が設定されているんだとか。恥ずかしながら存じ上げませんでした。奥が深いポケモン翻訳の世界、まだ見ていない方はぜひアーカイブをご視聴ください。

で、ヘイラッシャのフランス語名は、Oyacataです。ほほう、親方ね。寿司屋っぽい。

でも日本語のローマ字で考えたらOyakataじゃない?なんでCなの?

実は、名前の中にcatを入れることに意味がある、と思われます。

ナマズはヒゲが生えていますが、そこが猫に似ているので英語でcatfishと言います。種類によってはレッドテールキャットのように〇〇キャットという名称のものもいます。

ナマズとコイ アクアマリンふくしま

つまり、Oyacataは親方とcatfishのダブルミーニングというわけですね。うまい。よく思いついたなぁ。

 

ということで、生物好きが見つけたポケモン小ネタ、ヌシポケモン編でした。

 

参考文献

再生研究の新しいモデル実験動物−ヤマトヒメミミズ

 

 

俺の動物園水族館図鑑 File-1.東海大学海洋科学博物館

前回のブログ更新から1か月半ほど経ちました。お久しぶりです。二枚貝ホタテです。

 

皆さんはどれくらいの頻度で水族館に行きますか?

自分は先ごろ、3月20日~26日の1週間に7か所の水族館に行きました。

いや週7て。

というのも、3月末で有休が余ってたから消化したくて、月木金で有休とったんですわ。

行った水族館の内訳は

20日(月)サンシャイン水族館

23日(木)伊豆・三津シーパラダイスあわしまマリンパーク

24日(金)沼津港深海水族館→幼魚水族館

26日(日)東海大学海洋科学博物館・自然史博物館→スマートアクアリウム静岡

 

伊豆・三津シーパラダイス ゴマフアザラシの赤ちゃん

あわしまマリンパーク アシカショー

沼津港深海水族館 オオクチイシナギ

幼魚水族館 サワガニ

東海大学海洋科学博物館 アカカマス

スマートアクアリウム静岡 タカノハダイ


まさか1週間で7か所、というか4日間で6か所も静岡の水族館行くとは思わんかった。
で、伊豆・三津シーパラダイスの赤ちゃんアザラシの話もしたいし、あわしまマリンパークの熱いウニ推しの話もしたいけど、今回は3月末、そして5月4日でターニングポイントを迎えた東海大学海洋科学博物館の記録を残したい。

 

ということで、「俺の動物園水族館図鑑」というシリーズをスタート。

第1回は東海大学海洋科学博物館。2023年3月31日をもって有料の入館は終了、5月4日から事前予約制の無料(ただし見られる期間は限定的)となった。

マニアック生物と向き合える場所。

3月26日、日曜日。この日は東海大学海洋科学博物館で講演会のイベントがあった。

博物館の歴史と未来がテーマで、講演会の後はバックヤードも見せてもらえるというものだ。楽しかったぁ!

展示と講演会を通して感じられたのは、これまでも、そしてこれからも、教育・研究に注力するということ。

その象徴が標本だ。ラブカやリュウグウノツカイを筆頭に、深海生物を研究し貴重な標本を展示している。魚の液浸標本はグロテスクで怖い、気持ち悪い、つまらないといった印象をもたれがち。しかし、深い海をほうふつとさせる青い背景に、丁寧かつ美しく配置された標本の壁はそんなイメージを軽減させてくれる。講演会でも、いかに標本を美しく見せるかに注意していた。しかもその標本がすげぇ珍しい。ビワアンコウにクラゲダコにオニオウストンガニ。やばすぎる。こんな貴重な標本見せてもらっていいんですか?マジで?なんかバチあたったりしません?

標本の壁

おすすめはオニオーストンガニ。トゲがパンクすぎる。もちろん水族館ではほとんど展示されない希少な生物。おそらく生物が好きな人でもそんなに知名度が高くないと思う。カニノケンカにも実装されていない。知る人ぞ知る激レアカニだ。

おにおうすとんがに

 

もちろん客に見てもらうだけが標本の使命ではない。博物館に収集された標本は、いつか来るであろう生物学研究に貢献する日のために控えている。研究者が調べたくなった時にすぐ調査できる環境は、お金では測れない価値である。博物館の標本をポエム風にいえば、過去の研究者たちの思いを、現在の研究者が、未来の研究者のために残し、彼らの意思を紡いでいく行為なのだ。

そんな東海大学海洋科学博物館の、「ワイは知の集積を重んじる博物館やでぇ~そんじょそこらのオシャレ水族館とは格が違うんやでぇ~勉強してってくれやで~」と見せつける展示がある。多分こんな口調ではない。

入ってすぐ、ニセゴイシウツボがいる水槽の解説だ。

上からみたニセゴイシウツボ トンネルから顔を出すのがかわいい



ニセゴイシウツボ、というウツボがいる。

ゴイシウツボ、というウツボは、いない。

というか、ゴイシウツボという名称は、かつて存在したが、今は無効となって消えた。

この、ゴイシウツボ消滅の経緯が、ニセゴイシウツボの水槽にラミネートされた紙で展示されているのだ。

低コストな解説

裏面がすげぇ映り込む

ニセゴイシウツボサンシャイン水族館葛西臨海水族園、デカいドン・キホーテの店頭の水槽など、割とよく見るウツボではある。しかしその名前に秘められた歴史についての解説は、少なくとも自分はここでしか見たことがない。できることならニセゴイシウツボを展示するすべての水族館にこのラミネートを配っていただきたいくらいである。

東海大学海洋科学博物館がニセゴイシウツボの説明を掲げているのは、生物についての疑問を疑問のままで終わらせないでほしい、生物を整理し名前を付ける分類という営みについて理解を深めてほしい、という考えがあるのではないだろうか?知らんけど。

もちろん、博物館に在籍する学芸員、研究者が優秀だからこそこうした柔軟な展示ができるという事情もあるだろう。

 

ニセゴイシウツボのすぐ近くの壁。着眼点がエグい水槽がある。マガキガイの水槽だ。マガキガイといえば、どこの水族館にも大体いる、親指よりちょっと大きいくらいで黒っぽい巻貝だ。水槽内に勝手に生えてくる藻類、いわゆる「コケ」を食べて自動で掃除してくれるありがたい存在だ(※コケ植物ではないので私はあまりこの表現が好きではない)。当然多くの水族館にいるが、魚名板にその名が乗ることも少ない。脇役ですらない、黒子。そんなマガキガイ、オンリーの水槽。

正気か?音楽ライブで照明係のソロパートがあるようなもんじゃないか。

マガキガイ 目が怖すぎる



いや、正気を失っていたのは、自分だ。マガキガイだって立派な海洋生物の一種。水族館で水槽一つ独占したってなにも悪くない。むしろほかの水族館に行ってマガキガイを見たとき、「あ、魚だけじゃなくてマガキガイも入っているんだ」と気づける。ただの黒子ではなく、一つの海洋生物として見ることができる。多分ほかの魚が主役を張っている水槽より、マガキガイオンリーの方がしっかりとマガキガイを観察する機会になるだろう。

そうか、水族館によく行く自分の視野が狭いだけだったのだ。地方名「チャンバラガイ」というとおり杖のようなものを使ってピョコピョコ歩くマガキガイ。この仲間に特有の殻のへこみ「ストロンボイドノッチ」を持つことで長い口の稼働領域が広いマガキガイ。コケ掃除のプロのくせに自分の殻にはいっぱいコケが生える、リアル医者の不養生状態のマガキガイ。あぁ、ちゃんと注目すれば面白コンテンツなのに、どうせ掃除屋、しょせんは黒子と勝手に卑下してただけじゃないか。

マジでマガキガイしか入ってねぇ

 

たしかに東海大学海洋科学博物館は、標本をいかに美しく展示し、不気味な印象を与えないかを考えている。でも、映えとか美しさとかおしゃれとか癒しとか、そういったものに重きを置いているわけじゃない。そうだったらマガキガイオンリー水槽なんて置くわけない。東海大学海洋科学博物館は敬遠されがちな深海生物の標本なり、名前のルーツが一癖あるニセゴイシウツボなり、掃除屋マガキガイなり、そうした普段考えることのないマニアック生物たちと向き合う時間を提供してくれる水族館なんだ。公式がどう思っているかは知らないけれど、いち水族館マニアとして、そう思った。

 

東海大学海洋科学博物館には(生きている)イルカもアシカもペンギンもいない。スターと呼べそうな動物はシロワニクマノミ類、それくらいだと思う。フォトスポットになりそうなクラゲ水槽もない。

だが、それでいい。その方がユニークな生き物たちとの対話に集中できる。いや、対話といってもこっちが一方的に観察するだけなんだけど。

生き物から得られる学びを多くの人に伝えたいという意思を、たしかに受け取った。そんな気がする。

たなっちょさん、そしてゆるふわ生物学に捧げる感謝

ある日のこと、私はマッチングアプリで知り合った女性と初めてのデートをしていた。26にもなって女性との交際経験もない私はろくに話を盛り上げることもできず、別れ際にLINEを交換する勇気も出せず、絶望にうちひしがれながら帰宅した。

自分の情けなさを悔いながら、推しているYouTubeチャンネル、ゆるふわ生物学の配信を眺めていた。

「お知らせ」と書かれたサムネイルを見て、まぁ、新しいグッズでも出るのかなと楽観的に考えていた。

予想に反し、配信で語られたのは、中心メンバーであるたなっちょさんの卒業だった。

 

 

たなっちょさんとの出会い(一方的な認知)

私がたなっちょさんを知ったのは、ゆるふわ生物学の配信が始まる10か月くらい前、2019年の10月。池袋にあるデカい本屋、ジュンク堂で開催されたトークイベントだった。

ウニにあんまり興味はなかったが、こういうトークイベントは新しい知見がググっと広がるのでよく行っていた。

 

その場でウニハンドブックを購入し、サインももらった。イェイ。

 

トークの中で本人のツイッターも紹介されていた。話も面白かったし、フォローしておいた。グッジョブだぞ、俺。

 

それから月日は流れ、コロナ禍となり、社会が大きく変わった。2020年8月。たなっちょさんのツイッターには、「ゆるふわ生物学」の文字が躍り出た。なんと、生物学ガチ勢がゲームをするというなんとも面白そうな内容だろう。

 

実はこの時、ひそかに注目しているコンテンツがあった。数学教師芸人タカタ先生や、数学のお兄さんこと横山明日希さんらによる「日本お笑い数学協会」だ。名前の通り、面白い数学をテーマに本を出したりYouTubeで動画を出したりしている。もともと私は数学の授業はあまり好きではなかった(成績は良かったけどね)。学校で習う数学は、面白さが足りない。本で読む数学の話は楽しい。その違いは一体何か?という問いが己の中でふつふつと湧き上がっていて、その答えを日本お笑い数学協会に求めていた気がする。

 

学校で習う勉強はつまらない。でも、学問自体は面白い。それはなぜか。その答えを追求したいと考えていたので、ゆるふわ生物学の「ゲームと生物学を組み合わせる」というテーマは、まさに科学のアウトリーチにド直球で当てはまる内容だ。

 

ゆるふわ生物学、最高!!!!!!

予想をはるかに上回るほど面白かったゆるふわ生物学。後にも先にもここまでハマるYouTuberはいないだろうな。

2021年8月1日にツイートしたけども、あらためてゆるふわ生物学のどこが面白いか、羅列していきますわ。

・ゲームの世界にいる生物はなぜ〇〇なのか?生物学的考察

・現実にも面白い生物がいるぞ 生物の紹介

・ゲームってこんなに細かく作られているんだ!

・普通に実況者として推せる。

 

また、その翌年8月1日にはレポートを書いてみたりした。

 

ゲームの世界と、生物学というアカデミックな世界がつながることは、学問の持つ難しい・つまらなというイメージを払拭することにつながる。これはサイエンスコミュニケーションの課題だ。楽しいゲーム実況に科学のエッセンスが混じることで、科学を楽しいものという印象で上書きし、身近な存在と捉えなおすことができる。

本当にいい。楽しいねぇで終わらないのがこうしたコンテンツだと思う。そんな究極コンテンツを生み出し、ここまで成長させてきたたなっちょさん、そして配信や動画に関わっているみなさんに本当に感謝したい。

そんな敬愛するゆるふわ生物学に、自分はただコメント欄にテキトーなしょうもないコメントを流すだけの存在なわけですよ。ありがたいことにたま~に配信中にコメントを紹介されたりするのはコメント類冥利に尽きる。本当にいろいろなものをゆるふわ生物学からもらったと思っています。

たなっちょさん、本当にありがとうございました。

感謝を伝える方法として適切かわかりませんが、おきにいりのシーンをいくつか挙げたい。

 

・自己紹介より前にカバとサイを間違える伝説の初回 音量が小さいので注意

www.youtube.com

 

・100円で勝とうとするやつを許すな コンビニ弁当種多様性バトル

www.youtube.com

 

・ゆるくてかわいいバナナシュモクザメ くろきんさんがいるとガーティックフォンの突然変異がすごくすごい(2:22:45あたりから)

www.youtube.com

・「食らわんよ」といいながら普通に食らって死亡 モンハン・ガイアデルム戦(48:40ごろ)

www.youtube.com

 

・ゆるふわ史上最大の奇跡?ジオゲッサーにサボテンダー登場(1:46:15あたりから)

www.youtube.com

 

と、お気に入りのシーンはいくつもあるんですが、改めて思うのは、生物学云々関係なく面白い配信者だっていうことです。生物学考察だけでなく純粋にゲーム配信として楽しませてもらいました。本当にありがとうございました。

自分はこれからもゆるふわ生物学を愛し、応援し、グッズが出たら購入し、イベントに行けるのであれば足を運び、そしてコメント欄でろくでもないコメントを垂れ流し続けます。

 

たなっちょさんのこれからのご活躍を心より期待しています。